ヴェールにくちづけ

俳優やら舞台やらそのあたりの感想やら妄想やら

拝啓、わたしたちのヒーロー

まためちゃくちゃに久しぶりになってしまった。

 

この一年間、わたしを救い続けてくれた仮面ライダービルドがついに週末のファイナルステージをもって終了した。感想でもなんでもない、ただ「好きだったよ」という思いを残すために書き始めたので、万一レポを読もうとしてここにたどり着いてしまっていたら申し訳ないです。これはわたしとビルドくんの、ただの一年間の回顧録

 

わたしとビルドとの出会いは、普通に放送前の特報映像だった。そこに特に派手なエピソードがあるわけじゃないのだけど、あっちゃんがすごくハンサムだったし、わたしは学者とかそういうキャラクターがすきだし、赤と青のバイカラーのガワがとてもかっこよかったので、普通に「毎週見るぞ〜〜」くらいの感じで楽しみにしていた。これが一生愛せると言える作品との出会いになるとは、まだあんまし思っていなかった。わたしは元来物語を追うのがあまり得意でなくて、面白いと思っていてもめんどくさくて途中で見なくなる作品がザラにあった。だから、自分がこんなにマメに追える作品があるなんて、あんまり思っていなかったのだ。

 

始まってからハマるまでは早かったと思う。個人的には、一緒にすきになって、毎週展開を話す相手がいたからかもしれない。ここでビルドのここがすきだった!とか話の展開はこういう系統で〜みたいな話を書いて「だからハマったし今でもすき」というていにしたかったのだけど、かっこいい〜とか最高〜とかしか出てこなかったのでやめた。全部がすきだった。まあ何にせよ、わたしはビルドというコンテンツにのめり込んでいった。

イベントも苦にならない範囲で行った。放送も毎週、なんども見返した。彼らはいつ見ても、いつ会ってもカッコよくって、まさにわたしたちの「ヒーロー」だった。

 

まとまらないので、ここからは今回のファイナルステージの話。

 

わたしはあまりヒロイン然としたヒロインが得意ではない。だから、美空ちゃんのことがとてもすきだった。なぜかと言われるとなかなか言葉にするのが難しかったのだけれど、今回の1部でそれぞれ新世界へと歩き出すときに、一人その場に残る戦兎くんの手を彼女が離したことに、わたしが美空ちゃんをすきでいる全てがつまっていたと思う。

これは連れにも言ったのだが、もう一つのわたしの愛する作品、ミュージカル薄桜鬼であったなら、千鶴はそこに残ったと思うのだ。

でも美空ちゃんは、手を離す。戦兎くんが自分に、自分たちに、世界に何を望んでいるのか痛いほど理解しているから、彼女は、ちゃんと「生きる」道を選び取るのだ。そういう彼女の優しさと強さが、彼女がわたしのすきなヒロインであった全てであった。

最後の回だけ、戦兎くんが美空ちゃんの頭を撫でたのがとても良かったな。ふたりの恋情ではない、あえて言うなら「家族愛」に溢れた関係がすきだった。

 

そして何より、戦兎くんと万丈の関係に、わたしは何度救われてきたか知らない。わたしの知っている言葉で例えようとしても難しい関係で、近しいところでは性癖である「メサイア」なんだけれども、彼らは決してそうではなかった。かといって二人の間にあったものは慕情や友情という名前では薄っぺらすぎて、まして恋情などでは決してなくて。もう、「ベストマッチだった」と言うしかないのだ。

ファイナルステージで、万丈が「新世界では自分のことを忘れてしまう」と言った戦兎くんに激昂するシーンがある。「ふざけんな!お前といてどんだけ辛かったと思ってんだよ!そう簡単に忘れられっかよ……!」と。

辛かったのだ。万丈は、戦兎くんといて。そりゃそうだ。ここまでずっと、命を削って戦ってきたのだから。そして何より、万丈は彼と出会ったことで何度も何度も苦悩して、その度に何かを選び取りながら進んできたのだ。決断には常に痛みが伴う。万丈が味わったその辛さは常に戦兎くんとともにあったし、そんなふうに辛くても、彼はいつだって戦兎くんと相棒でいる道を選びとってきたのだ。「しあわせだった」とか、「楽しかった」とか、そんな薄っぺらい感謝ではなくて、病めるときも戦兎くんと選んで創ってきたことを忘れない、忘れられないと言った万丈に、わたしはどうしようもなく感動した。そしてえけちゃんは、新世界で戦兎くんと万丈がふたりぼっちになったことを、これまでの苦悩を超えてようやくたどり着いた「小さな幸せ」だと言った。キャストにもそう感じてもらえたのが本当に嬉しい。

彼らは世界でふたりぼっちだけれど、ひとりぼっちではない。そしてお互いの隣にいるのが、かけがえのない相棒だということが、ふたりの物語がバッドエンドではない一番の証明だったと思う。

 

夢のような一年だった。もしかしたら、長い幸せな夢を見ていたのかもしれない。

えけちゃんの言った「仮面ライダービルドは終わっちゃうけど、みんなはずっとみんなだし、万丈はずーっと万丈だからな!」という言葉を反芻する。わたしはこの言葉が本当に嬉しかった。大泣きした。あっちゃんにも、えけちゃんにも、これから信じられないくらい売れてほしい。でもわたしの愛した仮面ライダービルドは終わってしまうのは事実で、彼らは俳優として新しい道を歩むことになる。ただただ寂しかった。久しぶりに、「置いていかないで」と思った。

でも、みんなはずっとみんななのだ。万丈はずーっと万丈なのだ。わたしの中で、みんながずーっとずーっとヒーローでい続けることを、えけちゃんが肯定してくれた。嬉しかった。

 

筆不精なのでじぇ〜〜んじぇん書いてないけど、この一年感情的にもいろいろあって、メンタルが弱いのでいろんなことをすきでいるのをやめちゃいたいと思ったときもあった。でもビルドだけはずっとずっとわたしの救いだった。まさしく、わたしのヒーローだった。

ありがとう仮面ライダービルド。わたしの光。わたしの僥倖。これからも一生すきです。

 

マジでビルドの亡霊と化したので、わたしは死ぬまでこの話をしているのかもしれない。それもいいかもね。本当に一年間お疲れ様でした。大好きでした。これからも大好き。