ヴェールにくちづけ

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虎石和泉くんと私の「ない」話

※キモめのオタクの話します

 

せっかくのブログなので、もうちょっとちゃんと書きたい。そう思って、今週は毎日何かしら更新してみることにした。普通にくじけて書かない日もあるかもしれないけど、まあそれはご愛嬌ということで。

 

先にお断りしておくと、私は夢女子でも創作主人公を据えて二次創作をするタイプでもない。

でも、虎石和泉くんと出会いたい。

 

虎石和泉くんとは「スタミュ」(第2期)公式サイト

 

何を言っているのかわからないと思うが、大人気アニメ・スタミュの登場人物である虎石和泉くんがめちゃくちゃ好きなので、彼と出会いたいって話をする。気持ちの悪い妄想でしかないのでダメな人は見なかったことにしてほしい。

付き合いたいとかじゃないんです。出会いたい。知り合いたい。そういう感情。彼が寮暮らしだということを完無視して書いてるので悪しからず。もう私は社会に疲れたんだ。出勤すると頭痛がする。若いハンサムに救われたいんだ。助けてくれ。

 

 

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私は虎石和泉くんに、通勤電車で出会いたい。というか、私はこれでも社会人なので、電車くらいしか高校生である彼に会える場所などない。(そこだけなんでリアルなの?)

私は毎朝、最寄駅始発の電車を待って座るのだけど、和泉くんのことは今年の四月から見かけるようになった。隣の駅から、(ちらりと見えてしまった定期券によると)私が降りる駅の二つ先の駅まで、彼は私が決まって乗る車両で、眠たそうにつり革につかまって立っている。今まで見た誰よりも整った顔をしていて、いつも(主に女性の)視線を集めている子だった。モデルか何かをしているのかもしれない。

おしゃれな制服を着ているから、私立の高校生なのだろうなと予想する。小ぶりな皮のリュックサックはとても瀟洒で、どことなく高級そうだ。

十代にしては垢抜けた雰囲気とは対照的に、おなか側に回して邪魔にならないように抱えた鞄が可愛らしい。うとうと、うとうと、かすかに左右に揺れながら立っている姿を、私は座席から微笑ましく眺めている。

七月ごろ、彼の制服はいつのまにか半袖になって、私の着る服も薄くなってきた。外は朝からかなり蒸すのだけれど、電車の中は空調がきついので、小さく折りたためるストールを持ち歩いている。いつものとおり席に着くと、鞄に忍ばせていたそれに包まって、私はぼんやりと音楽を聴く。職場に到着するまでは、なるべく頭を使いたくないのだ。

その日も和泉くんは、隣の駅から車両に乗ってきた。すでに汗だくで、私の座席の前に立った途端に、手にしていたペットボトルの水を一気に飲み干した。律儀に空の容器を鞄に入れると、かわりに綺麗な瑠璃色のタオルを取り出して、流れる汗を拭った。育ちのいい子なのだろうな、と思った。男の子っぽい香水の香りがして、ちょっとドキドキする。

しばらくして、私の降りる駅に電車が滑り込んだ。うとうとしていたので乗り過ごしそうになってしまった。ドアが閉まるアナウンスが聞こえてきて、慌てて膝の上に乗せていた荷物をひっつかんで駆け下りる。

セーフ。遅刻するところだった。ほっと胸を撫で下ろすと、ふと後ろから声をかけられる。なんと、声の主は和泉くんだった。私はここで初めて、毎朝見かけていた男の子の名前を知ることになる。

和泉くんの手には、私がさっきまで包まっていたストールがあった。どうやら駆け下りたときに、落としてしまったらしい。自分の降りる駅でもないのに、彼は私を追いかけてきてくれたと言う。すぐに受け取って何度もお礼を言って、わざわざ降りてきてもらってしまったことを謝罪すると、彼は恥ずかしそうに笑って「大丈夫ですよ」と言ってくれた。さすがに十近く歳の違う子に迷惑をかけてかけっぱなし、というわけにもいかないので、駅のホームにあった自販機で飲み物を買ってあげることを提案した。彼は少し悩んだようだったけど、それでお姉さんの気が済むなら!と快諾してくれた。

私の方には時間に余裕があったので、和泉くんが次の電車に乗れるまで、一緒に待つことにした。万が一遅刻でもしてしまったらあまりに申し訳ないから、そのときは学校に私から事情を説明したい。かといって高校生の彼に大人の私の連絡先を教えるのはあまりに「何か」が良くないので、そうさせてもらった。

彼は学校で、演劇を専攻しているのだという。そういう高校があることを知らなかったからびっくりした。素敵な先輩のもとで、チームメイトと一緒にミュージカルを作っているのだと話す彼の目は、私が見たことのある眠たげな表情とは全く違うきらめきをまとっていた。本当に好きなことに、毎日取り組んでいるんだろう。少し羨ましくなる。

彼の乗る電車が来たので、最後にもう一度お礼を言って、私も仕事に向かった。その日はいつもより、仕事に真剣に取り組めたような気がする。若い子に感化されて、というのが、情けない話だけれど。

 

それから、べつに何か特別なことが起こるわけじゃないけれど、毎朝和泉くんは必ず私を見つけて、ちょっとだけ会釈をしてくれる。私もそれに返して、ちょっとだけ笑いかける。そういうちょっとした「知り合い」の関係は、私の職場が異動になって通勤時間が変わるまで、二年ちょっと続いた。

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本当にそれだけの関係でいい。ちょっと見かけるだけでいい。ちょっと話ができたらそれでいい。文字にしたらめちゃくちゃゾッとしたけど、私はこれで満足だ。ブログを更新するためにひねり出したネタにしてはあまりに気色悪いけど、まあ、大目にみてください。

ちなみにこのキショイ出会いのイメソン(イメソン?)はこちら。

メトロ・フィルム

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明日は何を書こうかな。フツウに日常のことを書くのがいいかもしれない。